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厚労省の発表に見る「国民年金」の気になる数字

◆国民年金保険料納付率が最低を更新
厚生労働省が7月5日に発表した調査結果によると、2011年度の国民年金保険料納付率は58.8%と、2010年度の59.3%に引き続き60%を下回る結果となりました。
納付率は、20歳以上の学生の強制加入が導入された1991年と翌1992年の85.7%をピークに下がり始め、1997年に制度維持に必要とされる80%を下回り、その後2005年の若年者納付猶予制度導入時にいったん回復しましたが、翌2006年以降下がり続けています。

◆若年層ほど納付率が低い
年齢層別では、「20~24歳」50.05%、「25~29歳」46.13%、「30~34歳」49.63%、「35~39歳」55.57%、「40~44歳」57.06%、「45~49歳」59.42%と、20~40歳台前半のいずれも「50~54歳」65.16%、「55~59歳」71.83%に比べて低くなっています。
若年層ほど納付率が低くなる原因として、非正規労働者の増加により、年収が低くて保険料を納めたくても納められない人がいることが指摘されています。

◆加入者の収入の低さは別の調査結果からも明らか
同じく厚生労働省が9日に発表した公的年金加入者の所得状況の調査結果によると、国民年金第1号被保険者の平均年収は159万円と、第2号被保険者である厚生年金保険加入者、共済年金加入者の平均年収が426万円であることに比べると半分以下であることが明らかとなりました。
年金受給者の189万円と比べても下回る結果となっており、これは、従来自営業者を中心に構成されていた被保険者が、現在では約6割を無職・非正規労働者で占めるまでになっていることの影響と指摘されています。

◆今後の納付率アップに向けた取組み
同省では、納付率が低くとどまっている原因として、低収入の人の一部に保険料免除等の申請をしていない人がいることを挙げ、2013年夏までにその半数を免除・納付のいずれかに結び付けたいとしています。
その他、現在国会に提出中のマイナンバー法案の動向も見ながら、公的年金制度の普及・啓発に取り組み、納付率の改善を図りたいとしています。

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