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健康保険の手当金不正請求防止のため、算定方法見直しへ

◆見直しの対象となる給付は?
現在、厚生労働省で健康保険の海外療養費・傷病手当金・出産手当金の見直しについて議論されています。
問題となっているのは「不正請求」です。
昨年5月31日施行の改正健康保険法で、協会けんぽに事業主への立入調査権が認められましたが、不正請求が疑われるケースが依然として多いことから、防止策を講じるため、来年の通常国会に改正案が提出される見通しです。

◆調査結果に見る傷病手当金受給者の状況
今年7月7日付で協会けんぽが公表した調査結果「全国健康保険協会(協会けんぽ)傷病手手金受給者の状況について」によれば、2013年は「精神および行動の障害」が受給原因の25.7%を占め、1998年と比較して5倍以上増加しています。
支給回数では「1回」が32%で最も多い一方、「11回以上」が15%で2番目に多くなっています。11回以上申請する人の傷病別構成割合を見ると、40.4%を「精神および行動の障害」が占めています。
なお、平均支給期間も「精神および行動の障害」が「220日」と最も長くなっています。
近年、精神疾患により休職する労働者の増加が懸念されていますが、医療保険財政においても、保険料負担増につながりかねない問題となっています。

◆不正請求の手口と見直しの内容
傷病手当金・出産手当金の不正請求で多いのは、報酬を水増しして申請するケースや、雇用実態のない者からの請求です。
そのため、報酬の水増しに対しては、休職直前の月の報酬を算定の基礎とする現行の方法から、直近1年分を見る方法へと変更する案が出ています。
また、雇用実態のない者からの請求に対しては、被保険者期間1年未満の者の算定の基礎を見直す案が出ています。
海外療養費については、渡航事実がないにもかかわらず請求するケースが見受けられ、対策として、支給申請時にパスポートの写し等を添付させる案が出ています。

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