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過労死ゼロを目指す「過労死等防止大綱」を閣議決定

◆3年をめどに見直し予定
政府は昨年11月に施行された過労死等防止対策推進法に基づく「過労死等防止大綱」を閣議決定しました。
過労死の原因を調査分析することが柱であり、その他には労働時間の削減や有給休暇取得率の数値目標などが盛り込まれました。また、この大綱は今後3年をめどに見直す考えです。
大綱は労使代表と有識者、遺族らで構成する協議会が検討し、厚生労働省がとりまとめました。政府は今後、大綱に基づいて具体的な施策を決めるようです。

◆過労死ゼロを目標に
塩崎厚生労働大臣は閣議後の会見で「今回の大綱は第一歩であり、健康で働き続けることができる社会の実現に向けて過労死ゼロをめざす」と述べています。
過労死の発生原因は明らかになっていない部分が多く、今回の大綱では、労働者の健康状態や生活習慣、勤務状況など、発症する病気の関係を長期的にわたって追跡調査することで、病気との関連性を明らかにすることが柱となっています。また、これらは労災認定されなかった事案も含めて幅広く調査されるようです。

◆労働時間の削減と休暇取得率の数値目標
総務省の「労働力調査」によると、過労死の危険が高いとされる「週60時間以上勤務」は、働く人の8.8%(2013年)に上っており、政府はこれらを2020年までに5%以下に減らす数値目標を定めました。
また、有給休暇の取得率について、近年は50%を下回る水準で低迷していますが、これらを70%以上とする数値目標も定めました。

◆外国の辞書にも載る「karoshi」
最近は「ブラック企業」などの問題が取り沙汰される中、長時間労働の解消は「過労死ゼロ」への第一歩となります。
過労死は1980年頃から注目され始め、現在では「karoshi」として英語やフランス語の辞書にも載っているそうで、これらは海外からみた日本の労働環境を表しているとも言えます。
過労死については立証が困難なことや遺族の心境など、様々な理由から労災の申請がなされていないケースもあるとみられており、実際はもっと多い可能性もあります。
今後は政府だけでなく、自治体や企業が協力しつつ、あらためて働き方を変える意識を持つことが重要となってきています。

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