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「配偶者手当」はもう古い? 見直しを促す報告書まとまる

◆「103万円の壁、130万円の壁」が就労の妨げに?
「女性活躍推進法」も施行され、女性の就業環境が大きく変わりつつあります。
企業が支給するいわゆる「配偶者手当」(家族手当、扶養手当等名称は様々)も、税制、社会保障制度とともに女性パートタイマー等の就労を抑制しているとの指摘があり、2015 年11 月26 日に決定された「一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策-成長と分配の好循環の形成に向けて-」で制度の在り方を検討することが明記されたことを受け、厚生労働省に女性の活躍促進に向けた配偶者手当のあり方に関する検討会が設置されました。

◆検討会報告書の結論
4月11日に公表された同検討会の報告書では、「社会の実情が大きく変化している中、税制・社会保障制度とともに就業調整の要因になっている」として、「配偶者手当(配偶者の収入要件がある配偶者手当)は配偶者の働き方に中立的な制度となるよう見直しを進めることが望まれる」と結論付けており、厚生労働省では、今後、「報告書を踏まえ、労使に対し、女性の活躍の更なる促進に向けた配偶者手当の在り方の検討を促していく」としています。

◆「配偶者手当」を支給している企業の割合は?
2014年 8月29日に公表された独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査結果によれば、常用労働者に対する手当では、「通勤手当など」(89.8%)、「役付手当など」(66.2%)に次いで「家族手当、扶養手当、育児支援手当など」(47.0%)が支給されています。
同調査では配偶者手当の支給条件の有無は明らかにされていませんが、2001年に内閣府の行った委託調査によれば、「家族手当」を支給する企業が83.5%、うち61.5%が配偶者の収入を支給条件としており、その78.4%が税制上の配偶者控除が適用される103万円を基準としているとの結果でした。

◆まずは自社の賃金制度を確認
上記の検討会報告書では、従業員構成や家族構成の変化を受け、手当をめぐる従業員ニーズも変化していると考えられるとしています。
賃金制度は、従業員のモチベーションにも影響することから、人材確保や生産性の向上といった企業が存続するための重要なファクターとも絡んでいます。
若手や女性に活躍してほしいという企業では、そうした層にとって自社の賃金制度が魅力的な制度と言えるかをチェックしてみてはいかがでしょうか。

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