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調査結果にみる 中小企業の「人手不足」への対応と課題

◆中小企業へのアンケート調査
日本商工会議所から6月下旬に「人手不足等への対応に関する調査」の集計結果が公表されました(調査対象:中小企業4,072社、回答企業:2,405社)。
企業における人員の過不足状況や求める人材、女性の活躍推進をはじめとする人手不足対応への取組み状況等について知ることができます。

◆半数以上の企業が人手不足に!
まず、「人員が不足している」と回答した企業は55.6%(平成27年調査50.3%)、「過不足はない」と回答した企業は39.7%(同45.5%)となっています。
全体の半数以上の企業で人手不足が生じており、昨年調査よりもその割合が約5%上昇していることから、その傾向が強まっている状況です。
業種別にみると、「宿泊・飲食業」(79.8%)で不足感が最も高く、「介護・看護」(77.5%)、「運輸業」(72.3%)、「建設業」(63.3%)と続いています。

◆企業が求める人材とは?
また、「人員が不足している」と回答した企業の69%が、求める人材として「一定のキャリアを積んだミドル人材」と回答しています。
ただ、その他の項目(「高卒社員」「大卒社員」「管理職経験者等シニア人材」)においても、前年調査と比較して高い数値となっており、幅広い層で人手不足が広がっている状況です。

◆人手不足への対応と課題
人手不足への対応として、女性や高齢者など幅広い人材の活用等が求められていますが、本調査では実際の企業の取組状況を知ることができます。
女性の活躍推進については、「実施している」が40.0%、「実施を検討している」が21.5%となり、6割を超える企業で何らかのアクションを起こしています。
女性の活躍を推進するうえでの課題としては、「女性の職域が限定されている」(38.6%)が最も高く、「女性の応募が少ない(女性社員が少ない)」(31.7%)、「女性が管理職登用を望んでいない」(23.0%)が続いています。
65歳以降の雇用延長については、すでに65歳超の者を雇用している企業は回答企業の約7割となっているものの、65歳以降の雇用延長について「義務化は反対」(30.1%)、「65歳までは雇用できるがそれ以上の対応は難しい」(27.1%)といった意見も出ています。
65歳超まで雇用できない理由として、「本人の体力的な面で難しい」(66.5%)、「若い年齢層の採用の阻害になる」(47.6%)、「生産性が低下する」(37.3%)、「雇用し続ける余裕(人件費等)がない」(22.7%)といった回答がありました。

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