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2010年度から厚労省、国保保険料の年間上限を63万円に引き上げ 

【12月8日】

厚生労働省は4日、市町村ごとに運営する国民健康保険(国保)の保険料の年間上限額を来年度から4万円引き上げて、63万円とする方針を社会保障審議会に示した。高所得層の負担を高め、これを財源に中所得層の保険料負担を軽くする狙いだ。政令の改正を進める。

国保には自営業者や失業者らが加入している。保険料の算定方法は市町村ごとに異なるが、高所得層の負担が際限なく増えるのを防ぐため、国が上限額を一律に定めている。現在の上限額は年間59万円だが、63万円にする。引き上げ幅は1993年度と並び最大。

国保の財政は景気低迷による保険料収入の減少や医療費の増大で悪化している。2008年度は一般会計から約2585億円が赤字の穴埋めに使われており、厚労省は改善措置を検討していた。保険料の上限を引き上げて国保の収支を改善し、中所得層の保険料を下げるように市町村を指導する。低所得層には税投入で保険料を軽減する仕組みがすでにある。

(NIKKEI NET12月5日掲載)

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