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「名ばかり管理職認定」残業代加算命じる 大阪地裁が判決 平成22年3月

【3月5日】

建築設備メーカー(東京)の「専任課長」と呼ばれるポスト時代に脳卒中で倒れ、過労で労災認定された大阪府の50代男性が「十分な裁量権が与えられない一方で残業代が出ない『名ばかり管理職』だった」として、支給済みの賃金だけをもとに労災給付額を決めた国の処分取り消しを求めた訴訟の判決が3日、大阪地裁であった。中村哲裁判長は、男性を「名ばかり管理職」と認め、残業代を加算しなかったのは違法と判断して処分を取り消した。

労働問題に詳しい原告代理人の松丸正弁護士によると、「名ばかり管理職」をめぐり、残業代相当額を加算して労災給付金を算定するよう事実上命じた判決は全国初。

判決によると、男性は、近畿地方の工場で機械設備工事の現場責任者を務めていた2005年、自宅でくも膜下出血を発症して寝たきりとなり、07年に地元の労働基準監督署から過労による労災と認定された。療養中、1日あたり約1万3千円の労災給付(休業補償など)を受給することも当時決まった。

判決は、発症当時、男性には技術部門の「専任課長」の肩書があったが、部下への人事権がなかった点や、発症2カ月前の月間労働時間が291時間に達していたことを指摘。男性は労働基準法で残業代支給が免除される「管理監督者」にあたらず、残業代の請求権があると判断した。

(asahi.com3月4日掲載)

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