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「合同労組」との団体交渉をめぐるトラブル事例

◆合同労組からの救済申立が増加傾向
東京都労働委員会から、平成23年における「不当労働行為審査事件」の取扱状況が発表されました。これによると、合同労組からの救済申立は89件(新規申立事件の約8割に相当)であり、過去10年では最高となっています。
以下では、労働委員会が取り扱った(命令を出した)、合同労組との団体交渉をめぐる最近の事例をご紹介します。

◆団交の時間・場所の限定が不当労働行為に該当したケース
この事件は、国立大学である大阪大学が、教職員組合による団体交渉の申入れに対し、開催時間を「午後0時から午後1時の昼休みの時間帯」と指定し、開催場所を特定の地区に限定したことが、不誠実団交に該当するとして、救済申立があった事件です。なお、以前は、団交は勤務時間中や勤務時間終了後に行われていたそうです。
初審(大阪府労働委員会)は、大学側に対し、団交申入れに開催時間・場所の条件を正当な理由なく限定しないことおよび文書交付を命じたところ、大学側はこれを不服として中央労働委員会に再審査を申し立てていました。
結論として、再審査申立ては棄却され、「大学が団体交渉の開催時間と場所を限定したことには正当な理由がなく、不当労働行為に当たる」とされました(7月9日)。

◆団交拒否が不当労働行為に該当したケース
千里金蘭大学(大阪)が、希望退職に応じなかった准教授(2人)が所属している労働組合と誠実に団体交渉を行わなかったのは不当労働行為に該当するとして、大阪府労働委員会は「不当労働行為を繰り返さない」とする誓約文を組合側に渡すように大学側に命じました(7月13日)。
大学側では、2010年10月以降、組合側と団体交渉を続けていましたが、2011年度の教員配置の詳細を明示しないまま、希望退職に応じない場合は事務職へ職種変更するとし、その後、准教授は2011年3月末に解雇されていました。

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