ブログ

深夜残業翌日は遅出の「勤務間インターバル制度」導入の動き

◆「勤務間インターバル制度」とは?
この制度は、終業から次の始業までの間に一定の休息を取らせる仕組みで、大企業での導入が増えています。
極端な働き過ぎを防ぐことが目的ですが、今後、多くの企業に広がるか注目されています。

◆KDDIの事例
KDDIはこの7月から、「8時間以上の休息確保」ルールを本格的に始めました。
管理職を除く社員約1万人が対象で、午前1時以降の勤務を原則禁止し、始業時刻の午前9時までに8時間以上の休息が取れるようにするというものです。
1時以降も働いた場合には、次の出勤をその分ずらすことになります。例えば午前2時退社なら、翌朝の出勤は10時以降となります。また、8時間ギリギリの日が続かないよう、休息が11時間を下回った日が1カ月に11日以上あった場合は本人や上司に注意を促します。
以前からあった制度ですが、組合の求めに応じて対象を広げたものです。

◆EUではすでに義務化
欧州連合(EU)では、すでに11時間以上の勤務間インターバルの確保を企業に義務付けていますが、日本ではこうした法規制はありませんので、労組が経営側と話し合って自主ルールとして確保に乗り出しています。

◆今後の広がりは?
24時間営業のレストランを展開するある企業では昨春、店長ら従業員に「11時間以上の休息」を取らせる仕組みをつくりましたが、「店長に急な残業が入っても、翌朝の仕事をパートに頼める雰囲気ができた」などと喜ばれているようです。
3週間分の勤務計画を本社がチェックし、人手不足で休息が取れない店には、近くの店から従業員を派遣させているそうです

◆仕事の分担や効率化を進める取組みも必要
ただ、この制度で働き過ぎが必ず防げるわけではありません。8時間の休息では、通勤や食事時間を除くと睡眠は5時間ほどになり、連日続いたら働き手の健康を害するレベルです。
また、休息が取れたとしても仕事量が減らなければ、かえって働き手を精神的に追いつめる恐れもあります。
中小企業や労組のない企業への浸透も課題です。厚生労働省の審議会では昨冬、労組側から「勤務間インターバルを導入すべきだ」との意見が出ましたが、経営側が「企業に一律に導入するのは不可能」と反対し、法案化には至りませんでした。

グループ会社

ページ上部へ戻る