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平成27年の労働災害発生状況にみる課題とは?

◆全体では微減だが…
平成27年における死傷災害発生状況(2月速報)が発表されました。産業全体として前年比などを見た場合、死傷災害はわずかに減少しています。
しかし、その内訳を見てみると、「建設業」や「製造業」では大きく減っているものの、近年の傾向として第三次産業での災害が大きく増加しています。
その中でも特に増加しているのが「保健衛生業」です。介護士・看護師など病院や社会福祉施設で働く方が該当します。平成25年時点と比較して社会福祉施設での死傷災害は15.9%増加しているということです。

◆腰痛と労働者の高齢化
保健衛生業については、「動作の反動・無理な動作」が特に多く、腰痛が職業病のようになっています。次いで、「転倒」も多くなっています。
また、社会福祉施設では、死傷災害の半数が40歳から59歳の層で発生しているというデータもあり、これからの労働力人口の高齢化と併せて、この点はますます重要な課題となるでしょう。
厚生労働省でも、こうした災害防止のための指針等を作成するなどの施策は行っているようですが、一向に減る傾向はありません。

◆介護ロボット等の普及にも時間がかかる
最近では、介護を支援するロボット等、人間の労働をアシストするようなロボット・機器市場が注目されつつあります。しかし、どんな事業所でも導入できるというほどまでにはなっていないようです。
介護機器の導入により、腰痛による休業、早期退職、退職に伴う交代要員の補充等、労務管理面でも手間の軽減に効果があるとされていますが、現状では、現場で業務にあたる個々人の体の使い方を含めた就労環境を見直していくことで対処するのが現実的かつ必要なことのようです。
また、腰痛は体の局所的な酷使のほか、ストレスによっても誘発される場合もあります。ストレスチェック制度がスタートし、これから健康診断のシーズンを迎えますので、この機会に安全衛生や健康管理体制の整備状況について確認してみてはいかがでしょうか。

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