お知らせ
2.52026
令和8年4月、高年齢労働者の安全を守る新指針がスタート。「努力義務」の真意を読み解く。
令和8年(2026年)4月1日より施行される
「高年齢労働者の労働災害防止対策(努力義務化)」についてお届けします。
「努力義務」と「安全配慮義務」の関係
今回の改正により、事業者は「高年齢者の特性に配慮した作業環境の改善」
などの措置を講じることが努力義務となります。
実務上のポイントは、この努力義務の内容が、
全ての事業主が負うべき「安全配慮義務(労働契約法第5条)」
を果たすための具体的な判断基準となり得ることです。
努力義務だから「やらなくても良い」のではなく、万が一の際、
国が示した指針に沿った対策を検討していたかどうかが、
企業の責任の有無を分ける「ものさし」の一つになります。
今回の指針を、御社の安全管理体制が十分であるかを再確認するための「ガイドライン」としてご活用ください。
なぜ、今、高齢者の労働災害防止なのか
最新の報告書では、経験豊富なベテラン社員であっても避けられない身体的変化と、
労災リスクの相関が明確な事実として示されています。
現在、労働災害による死傷者のうち、60歳以上の労働者が占める割合は約3割に達しており、
もはや見過ごせない経営課題となっています。
科学的な調査によると、加齢により心身の活力が低下する「フレイル」状態にある方の転倒確率は、
健常な方に比べて2.16倍に跳ね上がることが分かっています。
仕事の要求に対して身体能力が追いつかない「ミスマッチ」がある場合、
災害リスクが高まることがわかっており、高齢化による身体能力の低下は
労働災害リスクと相関があると言えます。
参考:高年齢労働者の労働災害防止対策に関する検討会
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_68013.html
これらのデータは、個人の経験則に頼るだけでなく、
組織として「身体機能の変化」を前提とした環境整備をすることの重要性を物語っています。
指針が掲げる「3つの柱」
厚生労働省は、リスクを抑えるための対策として以下の3つを推奨しています。
1.環境のアップデート(ハード面): 視力低下に合わせた照度の確保や、段差の解消。
2.健康・体力の「見える化」(ソフト面): 体力チェックを通じた、本人の自覚と適切な業務配置(マッチング)。
3.意識のアップデート(教育面): 図解や映像を用いた分かりやすい安全教育と、ストレッチ等のセルフケア推奨。
まずは「身近な取組」から始めませんか?
「指針」と聞くと、会社でやることを決めて、体制を整えて……とハードルが上がってしまいますよね。
ですが、そこまで構えなくても、まずは身近なところから手を付けるだけでも立派な対策になります。
例えば、職場のちょっとした段差。
普通の人でもつまずいてしまうような場所に心当たりはありませんか。
そこに張り紙を貼って注意喚起を促したり、目立つ色のテープを貼ったりするだけでも効果があります。
急な階段なども同様です。手すりをつける、通行区分の明確化(ゾーニング)、動線を確保するなど、
「ちょっとした気づき」を形にすることが、大切なベテラン社員を守る第一歩になります。
今、企業が取り組むべき「次のアクション」
改正までの準備期間である今、まずは自社の現状を把握することが重要です。
以下の「エイジングアクション100」のチェックリストなどをぜひご活用ください。
【参考】
エイジフレンドリーガイドライン(PDF)
https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/000815416.pdf
職場改善ツール「エイジアクション100」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055195_00001.html
高年齢労働者の安全衛生対策について(特設サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/anzen/newpage_00007.html
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