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東京労働局が公表した労基法・最賃法違反による送検事例

◆業種別では建設業がトップ
東京労働局から「平成 26年度司法処理状況」が発表されましたが、これによると1年間(平成26年4月~平成27年3月)の間に、東京労働局と管下の18労働基準監督署・支署が東京地方検察庁へ送検した司法事件は54件(前年度比4件減少)だったそうです。
業種別では、建設業(22件)、製造業(9件)、接客業(5件)が上位を占め、違反事項別では、賃金・退職金不払(17件)、死亡災害等を契機とした危険防止措置義務違反(12件)、労災かくしが(11件)が上位を占めました。
以下では、東京労働局が公表した送検事例のうち、労働基準法・最低賃金法違反に関する事例をご紹介します。

◆違反事例(1)
託児所を営むA社は、労働者Bの平成24年1月分賃金(17,250円)および労働者Cの同年2月分賃金(80,690円)の合計97,940円を所定の各賃金支払期日である同年2月29日、同年4月4日に全額支払わず、もって法で定める最低賃金を支払わなかった。
労働者14名が不払賃金(合計約221万6,000円)の行政指導による救済を求め労働基準監督署に申告に及んでいたが、 A社は労働基準監督署の行政指導に従わなかった。
A社の代表者は再三の出頭要求に応じなかったことなどから、逮捕のうえ、送検された。

◆違反事例(2)
パン製造販売業を営む会社のパートタイム労働者3名(時給900円~950円、1日の所定労働時間6時間)に対し、平成25 年12月1日から同月31 日までの間、最長で月 139 時間に達する時間外労働を行わせ、もって時間外労働協定の延長時間の限度を超える違法な時間外労働を行わせていた。
また、同期間、本来支払うべき時間外労働に対する割増賃金のち3割程度しか支払っていなかった (1人当たり最大で約11 万円/月の時間外手当不払が発生していた)。

◆労働局の今後の方針
同労働局では、過重労働による健康障害を発生させた企業等であって違法な長時間労働を繰り返すなど「重大・悪質な労働基準法違反」の事案に対しては、積極的に捜査を行い、送検手続をとる方針とのことです。

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