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地域別最低賃金の目安が公表されました|固定残業代の落とし穴

2026年10月改定 地域別最低賃金の目安が公表されました 東京都見通し1,280円 月給者も最低賃金の対象です
2026年10月 最低賃金改定

地域別最低賃金の目安が公表されました|固定残業代の落とし穴

東京都は1,280円が目安。時給者だけを確認して安心していませんか。月給者の判定手順と、判定に使えない賃金、月給23万5,000円でも最低賃金を下回る実例を社会保険労務士が解説します。

令和8年7月28日、令和8年度の地域別最低賃金改定の目安が公表されました。引上げ額の目安はAランク54円、B・Cランク56円。東京都は現在の1,226円に54円を加えた「1,280円」が目安で、すでに答申が出ており10月1日発効の見通しです。

ここで「うちのパートは1,350円だから問題ない」と思われた方へ。最低賃金は、月給制の従業員にも適用されます。そして見落としが起きやすいのは、ほぼこちらです。

この記事では、月給者の判定手順と、判定に使えない賃金、そして総額では足りているのに下回っている実例を整理します。

1月給者の判定は、この3ステップです

月給制の従業員が最低賃金を満たしているかどうかは、時間額に換算して判定します。手順は3つだけです。

月給から、最低賃金の対象にならない賃金を引く
残った金額を、月の平均所定労働時間で割る
出た時間額を、自社の地域の改定見込額と比べる

東京都の最低賃金であれば、1,280円の見通しです。②で計算した金額がこれを下回っていれば、10月から最低賃金割れになります。たとえば月の所定労働時間が160時間の会社なら、①の金額が204,800円ないと最低賃金を下回ってしまいます。

所定労働時間は会社ごとに違うため、「月給いくら以下が危ない」という早見表は作れません。ただ、この3ステップなら1人分1分で終わります。まずは基本給がいちばん低い方1人だけ、試してみてください。

2最低賃金の判定に使える賃金

①で引くのは、次の(1)〜(6)です。実際に支払われる賃金から、これらを除外したものが最低賃金の対象となります。

(1) 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
(2) 1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
(3) 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(固定残業代を含む)
(4) 所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
(5) 午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)
(6) 精皆勤手当、通勤手当及び家族手当

固定残業代は、名称が「手当」でも判定に使えません

とくに見落としやすいのが(3)と(6)です。固定残業代(みなし残業手当)は、名称が「手当」でも実質は時間外労働への対価なので(3)にあたり、判定には使えません。通勤手当と家族手当も(6)で除外されます。求人票などで月給に含めて表示している場合ほど、判定を誤りやすくなります。

3総額なら足りているのに、下回っている例

具体的な数字で見ると、落差がはっきりします。月の所定労働時間が160時間、東京都の会社を想定します。

基本給 185,000円
固定残業代
(時間外20時間分)
30,000円
通勤手当 10,000円
家族手当 10,000円
月給合計 235,000円

同じ従業員でも、見る金額でこれだけ変わります

月給総額で計算 235,000円 ÷ 160時間 = 1,468円

判定に使える額 185,000円 ÷ 160時間 = 1,156円

月給総額235,000円を160時間で割ると1,468円。1,280円をかなり上回っているように見えます。ところが判定に使えるのは基本給185,000円だけなので、実際は1,156円。124円も下回っています。支給合計を見ても気づけません。固定残業代や手当が厚い会社ほど、この落差が大きくなります。

労使が合意していても、下回ることはできません

最低賃金は、労働者本人が納得していても下回ることができません。違反した場合は50万円以下の罰金が定められており、あわせて下回っていた期間の差額を遡って支払う義務も生じます。10月の改定を待たず、確定前の今のうちに確認しておくことをおすすめします。

参考・出典

厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金額改定の目安について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_74920.html

厚生労働省「最低賃金の対象となる賃金」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/chingin/newpage_43898.html

※本記事は2026年8月時点の情報です。目安額は確定額ではなく、正式な最低賃金額と発効日は各都道府県労働局の発表をご確認ください。

判定から通知書の見直しまで、お引き受けします

「月給者が最低賃金を下回っていないか、自分では判断しづらい」

「固定残業代を入れた賃金設計を見直したい」

「10月の改定に合わせて労働条件通知書を差し替えたい」

このような段階でのご相談でも問題ございません。

あすか社会保険労務士法人では、月給者の判定から、10月の改定に対応した労働条件通知書・雇用契約書の見直しまでお引き受けします。まずは基本給がいちばん低い方1人分の判定からでも、お気軽にお問合せください。

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