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名ばかり店長長時間労働で過労死初認定、マクドナルド残業月平均81時間/神奈川

【10月28日】
日本マクドナルドの横浜市内の店舗の女性店長=当時(41)=が2年前に研修中に倒れ、死亡したのは過労死だとして遺族が労災申請していた問題で、厚生労働省神奈川労働局は27日までに、長時間残業など過重な労働が原因だったと認め、労災認定した。勤務記録に残った残業時間が少ないなどとして、いったんは不支給処分を出されていたが、遺族側が審査請求で新たな資料を提出するなどして労災認定を勝ち取った。

支援する労働組合・連合などによると、日本マクドナルドの「名ばかり店長」らの長時間労働問題で従業員の過労死が認定されるのは初めて。今後のファストフード業界全体の労働時間管理にも影響を及ぼす可能性があるという。

神奈川労働局の審査請求決定書によると、女性は2006年12月から横浜市内の店舗で店長を務めていたが、07年10月16日に川崎市内の店舗で研修中に突然倒れ、3日後にくも膜下出血で死亡したという。

連合によると、本人が申請した会社の勤務記録では、店長就任後の残業時間は月45時間程度に抑えられていた。しかし、倒れた当日も「公休」と記録されるなど、不自然な労働時間管理があったという。女性は店長会議で残業時間を月35時間以内に収めるよう指示されており、残業が多いと能力不足とみなされるため、少なく申告せざるを得ない状況にあったとみられる。

遺族側は昨年9月に横浜南労働基準監督署に出した申請が「不支給」となった後、神奈川労働局に審査を請求。日本マクドナルドの勤務記録がずさんで労災認定が困難だったことから、通勤で使っていた駐車場の入出庫記録や、知人とやりとりした携帯電話のメール記録などを審査資料として提出した。

同労働局は、知人とのメールのやりとりから、くも膜下出血が亡くなる約3週間前の9月28日に発症したと判断した上で、駐車場の入出庫記録などから「発症前6カ月の平均残業時間は月約81時間」と認定した。
女性の遺族は「日本マクドナルドの経営者には、二度とこのようなことが起きぬよう改善していただきたい」とコメント。日本マクドナルドは取材に「当局からの連絡がない状況であり、コメントは差し控えたい」としている。

(神奈川新聞10月28日掲載)

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