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多くの企業に影響する「有期雇用特別措置法案」の概要

◆来年4月1日施行予定
10月29日に、「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法案」(有期雇用特別措置法案)が参議院本会議で可決されました。
この法案は、今年の通常国会に提出されたものの成立せず、臨時国会で継続審議となっていたものです。
来年4月1日に施行される予定となっていますが、施行に伴い企業の実務に大きな影響がありそうです。

◆法案の内容
法案の内容ですが、下記(1)および(2)の者について、労働契約法で定められている「無期転換申込権」発生までの期間(通算5年)に関する特例を設ける(=無期転換させない)というものです。
(1)5年を超える一定の期間内に完了することが予定されている業務に就く高度専門知識等を有する有期雇用労働者
(2)定年後に有期契約で継続雇用される高齢者
上記(1)の「高度専門職の有期契約労働者」については『一定の国家資格保有者』『年収1,075万円以上の技術者、システムエンジニア、デザイナー』等が想定されていますが、これらの者を雇用する企業の割合は全体から見るとあまり多くないかもしれません。
しかし、(2)の「定年後再雇用の有期契約労働者」を雇用している企業はかなり多いことと思います。

◆「計画書」の作成・提出が必要に
企業が、上記の労働契約法に基づく無期転換に関する特例の適用を受けるためには、「対象労働者の特性に応じた雇用管理に関する措置についての計画」(計画書)を作成・提出して、厚生労働大臣の認定を受ける必要があります。
計画書にどのような内容を記載するのか、提出すべきタイミングはいつなのか、計画書は毎年提出しなければならないのか等については、今後、厚生労働省令等で明らかになってくるものと思われます。
いずれにしても、実務上、新たな業務が発生することとなりますので、厚生労働省から発表される情報に注目しておく必要があります。

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