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マイナンバーカードで旧姓併記が可能に、企業への影響は?

◆住民票、マイナンバーで旧姓併記開始
 改正住民基本台帳法施行令等の施行により、11月5日から、住民票、マイナンバーカード、印鑑登録証明書、公的個人認証サービスの署名用電子証明書等に、旧姓・旧氏(きゅううじ。戸籍上、過去に記載・記録された氏のこと。以下「旧姓」で統一します)を併記することが可能になりました。
 数年前から内閣府・男女共同参画局「女性活躍加速のための重点方針2016」等に盛り込まれていた政府方針が、実現したかたちです。
 旧姓併記により、結婚等により姓が変わった人は、さまざまな本人確認のシーン(契約、銀行口座名義、就職・転職時……)で、証明に旧姓を用いることもできます。

◆併記の手続き
 旧姓併記の希望者は、旧姓が記載されている戸籍謄本等を用意し、マイナンバーカード(通知カード)を市区町村役場に提出します。
 まだマイナンバーカードを作成していない人であれば、「山田[佐藤]花子」というように、姓と名の間にカッコ書きで旧姓が併記されたカードが交付されます。

◆企業に職場の旧姓使用を認める義務はあるか
 職場で旧姓を使用することについて争った裁判(日本大学第三中学・高校事件、東京地判平28・10・11)では、企業は旧姓使用を認めるよう配慮することが望ましいとしつつ、旧姓使用を認めないことは違法ではない、とされました。企業は、旧姓使用を認めなければならない法的義務までは負っていないものの、むしろ積極的に旧姓使用を認めることが有効といわれています。

◆旧姓は「使い分け」から「併記」の時代へ?
 今回の旧姓併記は、主に女性が結婚後も旧姓を広く使いやすくすることを目的としたものといえます。企業実務においては、従業員の姓をシーンによって使い分けるのは珍しいことではありません(労働社保など雇用管理上の事務処理は戸籍上の姓で行い、対顧客等には広く認知されている旧姓を用いるなど)が、いずれは「使い分け」ではなく「併記」をすることが主流となるかもしれません。

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